アナグマ

 昨夜、窯を焚いているときに物音がしたので外に出てみた。すると前庭にケモノの気配が…。“キューキュー、フゴッフゴッ”みたいな鳴き声がする方に懐中電灯の光を当てたらタヌキぐらいのズングリしたイキモノ2匹がこっちに向かって突進してきた。少しビビって声を出しながら音が出るよう強く足を踏みつけ威嚇したら、1匹はUターンして退散していったがもう1匹は軒下へ逃げ込んだ。念のためと手頃な棒切れを手にしてしばらく離れた場所で様子をうかがっていたら、軒下からすごすごと這い出て来てこちらを警戒するでもなく居座っている。まるで緊張感が感じられない。デジカメでも持ち出しておけばよかったなぁと後悔しつつ、この際とばかりに懐中電灯の光を当ててじっくり観察してその姿を目に焼き付けて追い払った。

 ネットで調べたらネコ目イタチ科アナグマ属の日本産亜種“ニホンアナグマ”だとわかった。決めてはその独特な歩き方(走り方)。内股ぎみに少し体を左右に揺らしながら迫ってきたときの姿が印象に残っていて、YouTubeにあったアナグマの動画投稿を観たらそのものズバリだった。以前ハクビシンを目撃したことがあって眉間の白いすじが印象的だったが、アナグマの眉間にも薄く白いすじがあった。

 タヌキ、ハクビシン、イノシシ、野うさぎ、リスとこの地での野生動物の目撃コレクションに新たにアナグマが加わった。まるで“野生の王国”だ。爬虫類もいろんな種類がいるが苦手なので(特にカエル)見ないようにしている。虫も同様。野鳥は興味はあるが観察する手段がないので鳴き声だけ聞いている。

 例年、今くらいの季節にはウグイスのきれいな鳴き声がうるさいほどあちこちから聞こえてくるのだが今年はあまり聞こえない。自然環境の変化に敏感な野生生物だけによくないことを想像してしまう。

益子陶器市 2011 春

 4月29日(金)から5月5日(木)に開催される益子陶器市に出店します。今回の震災で益子も被災を受けました。が、当初の予定より3日間期間を短縮しての開催となります。いらしたことのある方はご存知のとおり、陶磁器にあまり興味のない方でも楽しめるイベントです。
 私も「見木陶苑・土空間テント村」内で出店します。陶器市期間中「豆カレー」屋さんがテント村入り口に出店しており目印になります。お越しの際はぜひお立ち寄りください。


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それでも春はやってくる

 我が家の裏に龍神山という小高い山がある。毎年3月の終わりくらいに輪番で集落の数件の家が龍神講というお参りをしている。那珂川町(旧馬頭町)谷川(やかわ)地区は地元でも評判の美味しいお米の産地で、龍神山は集落の田んぼに流れる水の源になっている。我が家は山に入る通り道になっているので毎年機会があればご好意で同行させてもらっている。

 標高300数メートルの山だが、山頂に近づくにつれ勾配が険しくなり普通のスポーツシューズでは滑ってしまうような山道が続く。ようやくたどりついた山頂には石でできた小さな祠があるのだが、先日の地震の影響か崩れてしまっていた。その横にそびえていた松の木も根元から倒れていた。崩れた祠を立て直し、木にしめ縄を渡しお神酒とお供えを捧げ祈願する。今年も水に苦労することなく美味しいお米が収穫できますように!私も大家さんや地元の方に毎年新米をいただくので他人事ではない。今年はそれに加え龍神山の山裾に建つ我が家が無事だったことのお礼をした。祈願の後はお供え物の煮しめ物やお赤飯をごちそうになりお神酒をいただく。ほろ酔い気分で近くにあるゴルフ場や集落などを山頂から眺望しつつ、しばし色々なことを忘れ気持ちの良い時間を過ごす。山を降りて家に帰ってきたらゴンが気持ち良さそうに草むらに寝ていた。鈍感なのか大物なのか地震にあまり動じないゴン。声をかけたらムニャムニャ言いながら寝返りをうった。ン!?け・せら・せらっていま言ったかオマエ。

 毎年、龍神講が終わってしばらくすると稲の種モミから苗作りが始まる。そして4月の下旬前後にかけて田植えがはじまる。大昔から何があっても毎年変わらず同じように日本人は苗を植え米を収穫してきた。今年もまた美味しいお米がきっと収穫されることだろう。

2011.03.12

 余震を警戒しつつ割れたガラスや品物の片付けをする。上空が宮城・福島方面へ行き来するヘリの航路になっているのか時おりローター音が通り過ぎる。
 被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、早期の復旧をお祈り申し上げます。

骨董 久楽楽

 宇都宮の骨董店「久楽楽(くらら)」にお邪魔してきた。知人である店主の合澤さんは私が馬頭町に工房を構える際にいろいろお世話になった恩人だ。たまにお邪魔して、その時どきにお店に入ってきた品物を拝見させていただいている(客にもならないのにいつもありがとうございます)。

 普段手にとることのできない平戸三川内焼や古伊万里など店内にある焼き物を物色しつつ、店主の骨董談義に耳を傾ける。お店の主力である李朝家具や骨董道具などに囲まれていると、年代物の磁力のせいなのか落ち着いた心持ちになり居心地がよい。

 最初の画像は李朝の乳瓶。お産に際して母乳をこれに入れてお乳の出がよくなるように神様にお供えしたという。骨董店が舞台の『時代屋の女房』のペルシャのなみだ壷を思い出した。内容はうろ覚えだが夏目雅子の美しさとペルシャのなみだ壷なる品物が強く印象に残った映画だ。

次いで李朝時代の携帯カップ。縁起物の桃をモチーフにしたデザインで金属製と木製のもの。裏側の造形・装飾が美しい。先端が片口様になっているのでカップ以外の用途もあったかも。




 さらに李朝時代のものと思われる小刀。魚をモチーフにしたデザインで刃が独特の角度で止まるようになっている。なにか特定の作業に使われたものらしい。




 李朝の銀製のスプーンとお箸。スプーンの見込みには家紋かなにかの彫り文様がある。銀製である理由は仮に料理に毒物が入っていた際に銀が化学反応して知らせてくれるからだとか。宮廷で使用されていた品物か。




 北海道で使われていた千両箱。金属製の装飾がアイヌ文様をイメージさせる。本体とふたの噛み合わせは時代を経ても寸分違わぬ正確さ。職人技にほれぼれする。




 ひとの手から手に伝わった古い道具にはなぜか惹かれる魅力がある。これが民芸のいうところの“用の美”につながるものなのか。まだまだ勉強不足。もっといろんなものを見なければ…。

 毎月第三日曜日に宇都宮二荒山神社下バンバ広場で開催されている「宇都宮骨董市」に骨董店「久楽楽」さんも出店されている。お出かけの際はぜひお立ち寄を。

冬の霧降高原

 朝晩はまだまだ冷え込むが日中は陽射しの中に確実に春を感じられるようになってきた。先日は車中からの那須連山がかすんで見えた。

 スノータイヤを季節の終わりまじかに装着した車でいつものように日光だいや川公園ぞいを通る県道を走り、霧降高原にぶらりと行ってみた。木々の葉がしげる前に霧降ノ滝の全容を観瀑台で見てみたいと思ったからだ。

 車を駐車場にとめ観瀑台へ続く遊歩道の入り口へと歩いていくが観光客の姿は一向に見えない。それもそのはず、石だたみの遊歩道は雪がアイスバーンになっていて普通の靴では危険な状態になっていた。まだちょいと早すぎたようだ。滝は木陰からひとまず遠望して、せっかくだからと5年前に有料道路が無料になった霧降高原道路を大笹牧場方面へ行ってみた。

 道路はきれいに除雪され路面はほとんど乾いていたが、ところどころ陽のあたらない部分が凍っていた。那須塩原方面を一望できる大笹牧場手前の駐車場でパノラマ風景をパチリ。この濃く深く澄みわたったきれいな冬の青空が見られるのも今シーズンは最後になりそうだ。
 

雪の足跡

 先週末に引き続き昨日から今朝にかけて雪が降った。積雪はだいたい15センチ前後くらいだろうか。動物の足跡でも雪の上に残っていたら写真を撮ろうと思い立ち、新調した長靴の試し履きも兼ねてひさびさに裏山に入ってみた。田舎暮らしには長靴は必需品でいろんな場面で必要になる。何かを踏み抜いてしまったりで安物であればすぐに一足はきつぶしてしまう。今回はいつもより多少値の張るものを買ってあったのだ。新しい長靴を買い与えられ待ちに待った雨が降って喜び勇んで外に駆け出す子供の時分を思い出す。新雪に足跡を残す快さを感じながらしばらく歩き回ってみた。

 イノシシが怖くてあまり奥に入らなかったせいもあるが、結局、動物の足跡は見つけることができなかった。例年、雪が降った翌朝にウサギの足跡がよく見られたが、週末に猟犬が山を走り回ってたようなので山の奥の方にでも行ってしまったのだろうか。残念だ。
 いちど家の前の斜面を駆け下りていく野うさぎを見たことがあったが惚れ惚れするような躍動感があった。同じ場所をアオダイショウが駆け下りて(!?)いくのも見たこともあったがこれも圧巻だった。どちらも何かに追われていたのだろうか。
 追われているといえば、最近、家の近くの貯水池の斜面際を猟犬に追われて逃げていくタヌキを見かけた。その差はぜんぜん縮まらずタヌキってあんなに速く走れるものかとえらく感心した。もっとも追ってた猟犬はタヌキと体格がそんなに変わらないビーグル犬だったが…。

 イノシシとニホンジカを除く動物の狩猟期間は今日が最終日。もう少しだ、きょう一日を生き延びろ!頑張れウサギちゃん!

ギャラリー悠日

 先日、個展でお世話になっている宇都宮のギャラリー悠日にお邪魔してきた。同ギャラリーは、かつて米の備蓄倉庫だったという大谷石造りの蔵を改装しギャラリーとカフェを運営されている。“大谷石”の産地である宇都宮には大谷石造りの倉庫や蔵が多数あるが、これだけの倉庫群は宇都宮でも他にはない。訪れるたびにその空間の趣向が変化していて驚かされかつ楽しませていただいている同ギャラリー、今回はカフェの中にお寿司屋さんができていた。現在、カフェルームになっている空間はミュージシャンのプロモーションビデオの撮影などにも使われ、昨年はAikoのPVの撮影も行われた。
 ギャラリースペースでは作家・映像ディレクター、戸井十月さんの写真展『路傍の人 5大陸・13万キロの旅の記憶』が開かれていた。12年かけ続けられたオートバイによる「五大陸走破行」で撮影された世界各地の人々の写真が所狭しと展示されていた。展示会最終日2月27日にはご本人を招いてのギャラリートークも行われる予定だ。

牡丹雪

 私の住んでいる栃木県那須郡那珂川町は栃木県北東部に位置し雪は年に数回しか降らない。ちなみに那須郡だけど那須までは車で1時間弱かかるくらい離れている。お隣はすぐに茨城県で、氷瀑で有名な袋田の滝がある大子町までは車で十数分の距離だ。
 年に数回降る雪のために毎年年末くらいに車にスノータイヤを装着するのだが、今シーズンはグズグズしていて未だ装着していない。先月初旬にも降雪があり少し積もったがなんとかやり過ごした。そこに来て今日は朝から雪。時おり大きな牡丹雪も舞っていた。でも予報どおり昼まえには太陽が顔を出してくれた。雪もかなり水気を帯びて重そうだし、今日一日外出しなければなんとかなりそーだ。ここまで来たらタイヤ交換なしで、と考えているのだが今週末は再び関東地方に降雪の予報…。さて、どーなることやら。

日光だいや川公園

 昨日は天気も良かったので気晴らしに日光だいや川公園へ。はじめて訪れた際に日光連山をバックにしたそのランドスケープにえらく感動した。以来、日光へ行く途中などよく訪れる。遠景の山々は空気が澄んだ今くらいの季節が一番きれいに見える。雪が積もった日光連山にしばし時間を忘れてみいってしまった。
 さて腹ごしらえでもしようと県道248号を車でゆっくり日光市街地方面へ。メインストリートをつらつらまばらになった商店街を眺めつつ登っていき、神橋を越え東照宮の前を通り中華料理「日光翠園」へ。以前からメニューで見てずっと気になっていた坦坦麺をよーやく食す。美味かったあ。デジカメ持参で行ったけど“写真撮らせてください”の一言を言う勇気がなく、まして黙って撮影する度胸もなく残念ながら写真は撮れずじまい。グルメブロガーには絶対なれませんねえ(笑)。

陶磁制作 我妻淳 オフィシャルウェブサイト