我が家の側に小さな水路があり、雨が降ると流れができる。そこに住んでる珍客が沢ガニくん。移住した当初、土間に大きなクモがいると思ったら沢ガニだった、ということもよくあった。雨降りが続くと水路から散歩に出るようだ。
以前はもの珍しさもあって名前など付けてよく観察なぞしていたが、今は沢ガニを見ても何も感じなくなってしまった。“慣れ”はコワい。
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久々の我が家
十三夜
ギャラリー悠日での個展も残すところあと一日。5時すぎにギャラリーの外に出てみると期間中に季節は進み日が短くなり、あたりはすっかりうす暗くなっていた。空を見上げれば十三夜のぼんやりとにじんだ月が大谷石造りの建物の上で薄赤く光っていた。
さかのぼること10日前、搬入日の夜に「悠日カフェ」に併設された「鮨いけだ」でギャラリーオーナーにお鮨をご馳走になった。こちらのお店では、煮きり醤油を新鮮なねたに塗ってにぎられる江戸前鮨が食べられる。長く江戸に暮らしていたが本格的な江戸前鮨を食べたのはこれがはじめて。カウンター席の目の前で鮮やかな手さばきで一品ずつ握られる鮨はとても美味しかった。
職人の無駄のない手さばきは美しい。いつかそんな無駄のない手さばきでロクロをひけたら、と思った次第。
草々
初秋の日光
開催中の個展の休廊日に日光を訪れた。いろは坂をのぼれば、はじまったばかりの紅葉に出会えると期待したのだが標高の高い戦場ヶ原まで行ってもまだ紅葉には早すぎたようだ。ただ青空は青みを増し、吹き渡る風は肌寒いくらい冷たかった。午後早い時間にもかかわらず、強い秋の陽射しの中には薄黄色のフィルターを通したような秋色が充満している。中禅寺湖の湖面も秋色の陽射しを照り返し光り輝いていた。
小杉放菴記念日光美術館では、「一体感醸成企画 日光在住の作家たち 小坂憲正ー感じる扉/香川大介ー生の絵画展」が開催されている。絵師・香川さんの独特な世界観が表現された絵画と、扉造形作家・小坂さんの作品が美術館内でコラボ展示されている。いづれもそれぞれの作品が放つエネルギーが美術館のスペースに満ちあふれるような展示で長い時間楽しませていただいた。
もうすぐ日光に紅葉の季節がやってくる。次回訪れるときはどんな表情を見せてくれるのだろう。栃木県に日光がいてくれてよかった、なぁ。
個展はじまりました
宇都宮市の「ギャラリー悠日」での個展がはじまりました。期間は10月1日(土)から10月10日(月)までです。10月4日(火)と10月5日(水)は休廊ですのでご注意ください。詳しくは以前のブログをごらんください。お越しをお待ち致しております。
秋の色
個展のお知らせ
10月1日(土)から10月10日(月)に宇都宮の「ギャラリー悠日」で個展を行います。ぜひお越しください(10月4日(火)10月5日(水)は休廊ですのでご注意ください)。
※画像をクリックすると大きくなります
ギャラリー悠日
【住 所】〒320-0838栃木県宇都宮市吉野1丁目7番10号
【電話・FAX】028-633-6285
(11時~18時まで 毎週水曜・火曜定休)
電車での最寄り駅は東武宇都宮線の「南宇都宮」駅で、そこから徒歩3分くらいの場所にギャラリーがあります。
東京方面から電車でお越しの場合は、浅草もしくは北千住から東武鉄道でお越しください(乗換があるのでご注意を)。帰りは宇都宮中心街に出て餃子などお楽しみいただいてJRでお戻りになる、というプランがおすすめです。
電車などの経路検索は下記のGoogleマップの機能をお試しください。Googleマップ上の『南宇都宮』駅にカーソルを合わせクリック→現れたウィンドウの中の『ルート』をクリック。画面左側に「ルート・乗換案内」というのが出てくるので出発駅(出発地)を入力して「検索」をクリック。これで出発する駅からの経路が調べられます。お試しください。
大きな地図で見る
宇都宮の市街地マップなどが調べることができます。
宇都宮観光コンベンション協会HP
エンジェル出現!?
ここ数日、過ごしやすい気温の日が続いて暑さでグダグダだった体調もリセットされた。家の外では炎天下の刺すような陽射しもおさまり、山の樹々もホッと一息ついて曇天のもといつもよりあおあおと茂って見えた。
家の近くの貯水池の向こう側に杉林があって、その林の手前にてっぺんまで種類はわからないがツタのような草が絡み付いた木がある。以前からその存在は知っていたが今朝、雨が止んだ時になにげなく眺めていたらなんだか人物の座像のかたちに見えてきた。品よく脚をそろえ、両方の手をひざの上にのせてイスに腰掛けているかのように、しかも背中に羽がある…。これは何かの啓示か、はたまた我が身が救いを求めて出現した偶像の幻視か。いずれにせよ堕天使でないことを祈っておこう。
ミハシカフェ
お盆で宇都宮の実家に帰省したおりに『ミハシカフェ』にお邪魔した。たまにはナイフとフォークを使った食事をしないと料理の食し方も忘れてしまう。とゆーわけで今回はウィークエンドランチメニューの「サワラのポワレ」をオーダー。まずは塩の効いたオリーブオイルがたっぷり入った器とともにフランスパンが登場。パンを指でちぎってオリーブオイルに浸して食す、という普段の暮らしではまずしない行為をするだけで指先から脳味噌にかけて快い刺激がはしる。前菜はホタテとお豆(聞いたけどお豆の種類を失念!)のマリネのサラダ。うまい。一口で食べられるホタテもナイフの使い方を忘れぬよう切り分けて食す。うまい。次に登場したのは同カフェで人気の温野菜。野菜が苦手でもさらりと食べられてしまう。ナイフを使うのも忘れ豪快にフォークでひとつずつ突き刺して食す。うまい。リム皿の底にたまった野菜の旨味が凝縮されたスープも周囲を気にせず皿に口をつけてすする。うまい。お次はメインのサワラのポワレ。素材の良さと絶妙な味付けで皮も含め美味しかったぁ。むしゃぶりつき食した後は底に残ったソースをフランスパンでからめとって食べる。うまい。食後のデザート(写真とり忘れ!)ととともに〆はいつものエスプレッソ、ストレートで。美味。
ミハシカフェのオーナーシェフは高校の同級生。数年前の個展のおりに20数年ぶりに再会した。高校時代、学ランに足もとはローファー(私は3年間コンバースのバッシュ)、髪はアイビーカットで3年間とおした彼の愛読誌は、我々が「ホットドックプレス」だったのに対し「メンズクラブ」だった。やがてアパレル業界に進み、その後料理の世界に転身した。久しぶりに会ってはじめてそのような経緯を聞いたがまったく違和感を感じなかった。かたくなに、少し頑固に自らの美的価値観を貫き通していた彼の姿を思い出すと、アパレルから料理へとジャンルは変わってもその芯に少しものぶれも感じない。広義で同じモノづくりをする身としてもシンパシーを感じている。
リーズナブルに質の高い食事ができるミハシカフェ。“うまい”しか表現ができないほど野暮な私だが、複数のグルメ系ブロガーが彼のお店のことを記事にしている。ご興味をお持ちになった方はぜひ検索を!
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