「日常のこと」カテゴリーアーカイブ

春の跫音

 立春を過ぎてしばらく経つのにまったく春の気配が感じられなかったが、ここ数日は気温もあがり陽射しにも春を予感させる力強さが感じられる。
 いっぽうで異常気象に関係なくほぼ暦どおりに春が来て今年も戦いのシーズンに突入した愛猫のゴン。ようやくシーズンが終了したようで、モコモコになった冬毛の腹を晒したいつもの格好で久しぶりに定位置でいびきをかいて寝ている。彼のいびきが聞こえるとせっかく集中してロクロで作業をしていても脱力してしまう。ひと休みしがてら様子をのぞくとご覧のとおり。憎めないヤツだ。
 近くの貯水池では今年はじめてのアカガエルの鳴き声も確認できた。樹々の芽吹きは遅れているが確実に春は近づいている。

 水道水が寒さに慣れるなんてことはないと思うが、例年本格的な冬のシーズンを迎えると最初の頃は朝に水道管内が凍って水が出ない事態が続き、その後は最低気温がもっと下がっても凍らなくなっていた。でも今年は様子が違うようだ。毎日に近いくらい昼近くまで仕事場の水道が凍っている。
 素焼き前の器の仕上げに、スポンジに水を含ませて表面を拭く水拭きをしているが、今日の午前中、汲み置いていた水で拭いていた器にスポンジがくっついて離れなくなってしまった。びつくりして寒暖計を見たらマイナス3度、凍るはずだ。このあたりではここ数日、外気温ががマイナス8度前後の日が続いている。先週降って日陰でとけずに残った雪は氷のようになっている。今年はとにかく寒い。

1.17に思う

 阪神淡路大震災から17年が経過した。当時、朝のテレビニュースで神戸上空からの映像が映し出されたが詳しい状況がわからないまま会社に出勤し、その日一日は移動のタクシーで聞いたラジオや昼食時の飲食店のテレビなどで刻々と判明していく状況をとぎれとぎれにしか知ることができなかった。その年の後半にウィンドウズ95が発売され、ようやくパソコンが誰でも使える機械になったがインターネットが普及するのはそれからしばらく後のことで、ケータイもまだ一般に普及する少し前でもちろんケータイメールもなかった。ラジオの価値を認識してさっそくその年に電車通勤時にもJ-WAVEが聴けるように薄型のAM/FM携帯ステレオラジオを購入したが、その後の数回の引っ越しでどこかにいってしまった。
 昨年の3月11日、震度6強の地震に襲われすぐに停電。光ケーブルの電話もパソコンも使えずケータイは不通。小雪舞う寒空のもと、安全な場所に移動したクルマの中でラジオを聞いてはじめておかれている状況を知ることができた。翌朝、停電がなおると同時にアマゾンでポータブルラジオを注文。2日後、いつもの市川からでなく大阪の配送センターからラジオが届いた時どれほど心強く思ったことか…。その後、他のエリア以上に計画停電を実施された時にこのラジオを重宝したことは言うまでもない。どれほど情報通信テクノロジーが進歩しようが電気が止まればただの箱。乾電池数本で聞けるラジオにはかなわないという現実を身を持って体験した。

 オフィシャルな情報が必ずしも正しくないと思い知らされた昨年だったが、年明け早々の鳥島沖地震以降、オフィシャルではないさまざまな方面で年内再度の巨大地震の可能性が指摘されている。
 地震発生の前に起こるさまざまな自然現象のことを“宏観異常現象”と言うらしい。地震雲もそのひとつだが、少しでもヘンな雲を見つけるとすべて地震雲に思えてしょーがない。ペットをはじめとした動物の異常行動もこの“宏観異常現象”に含まれるらしいが、3.11の時に室内のガラス戸が砕け散るまでいびきをかいて寝ていたゴンはあてにできない。最低限の備えをしつつ、普段通りの生活を送れることを祈るばかりだ。

 阪神淡路大震災、東日本大震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。

初雪初霜

 昨日の朝は初雪で外が白くなっていたが今朝は霜であたり一面白くなっていた。雪の白さより霜の白さはひと目見ただけでブルっとくる。実際、気温も霜が降りた朝のほうが低いようだ。昨晩の天気予報でムロ(徐々に乾燥させるため密閉に近い状態にした場所)に入れたパネルヒーターを今シーズンはじめて稼働させておいて正解だった。例年、何度か予報を見誤ってロクロでひいた器を凍らせてしまうことがある。いちど凍った器は生地に亀裂が入って使い物にならなくなってしまう。今夜は皆既月食。観察しようかしまいか迷ってるがこの寒さに加え例年以上に濃くなってるイノシシの気配。やっぱ巣ごもりで酒をグビりといきましょか。

立冬

 今週月曜日、秋の益子陶器市が無事終了しました。お越しいただいたみなさま、どうもありがとうございました。少し気の早いお話ですが、次回の春の益子陶器市は2012年4/28~5/6に開催します。

 立冬が過ぎ、朝晩の冷え込みが強くなってきて紅葉も山里までおりてきたようです。気候の変動厳しきおり、みなさまくれぐれもお身体ご自愛ください。

沢ガニ

 我が家の側に小さな水路があり、雨が降ると流れができる。そこに住んでる珍客が沢ガニくん。移住した当初、土間に大きなクモがいると思ったら沢ガニだった、ということもよくあった。雨降りが続くと水路から散歩に出るようだ。
 以前はもの珍しさもあって名前など付けてよく観察なぞしていたが、今は沢ガニを見ても何も感じなくなってしまった。“慣れ”はコワい。

久々の我が家

 個展が無事終了いたしました。
 お越しいただきましたみなさま、どうもありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 久々に戻った我が家。家のまわりは約10日ほどの間に秋本番の準備を整えた装いに。本格的な紅葉はまだ少し先。さて、仕事場の整理整頓でも始めよう。

秋の色


 ひさびさに朝から晩まで見事に晴れ渡った。気付いたらもう9月も下旬。台風に耐えた庭の白萩も盛りを過ぎようとしている。おとといまではいなかった彼岸花も去年と同じ場所にいつのまにか出現した。大家さんが植えてくれた唐辛子の実も赤く熟し、山からおりてきたトンボの背も赤く色づいている。秋には赤い色がよく似合う。現在赤く発色する釉薬の試行錯誤を繰り返しているがなかなかうまくいかない。窯出しで今日の秋空のように気分が晴れ渡るのはいつになることやら…。

エンジェル出現!?

 ここ数日、過ごしやすい気温の日が続いて暑さでグダグダだった体調もリセットされた。家の外では炎天下の刺すような陽射しもおさまり、山の樹々もホッと一息ついて曇天のもといつもよりあおあおと茂って見えた。
 家の近くの貯水池の向こう側に杉林があって、その林の手前にてっぺんまで種類はわからないがツタのような草が絡み付いた木がある。以前からその存在は知っていたが今朝、雨が止んだ時になにげなく眺めていたらなんだか人物の座像のかたちに見えてきた。品よく脚をそろえ、両方の手をひざの上にのせてイスに腰掛けているかのように、しかも背中に羽がある…。これは何かの啓示か、はたまた我が身が救いを求めて出現した偶像の幻視か。いずれにせよ堕天使でないことを祈っておこう。

残暑

残暑見舞い申し上げます。
 “暦のうえでは”とはわかっていても、これからが夏本番みたいな感覚なのでなんとも違和感を感じてしまう。でも、年末に“明けましておめでとう”と書く年賀状に比べればまだましだ。
 庭では季節外れの白山吹が一輪咲いていた。せき立てられるように移り変わる季節に孤独な抵抗をしているかのように…。“少し立ち止まってみようよ”という声が聞こえてきそうだ。でも白山吹さん、ご心配なく。私はいつも立ち止まってばかりですから(笑)。