ヤゴー

 今月初旬の益子陶器市が終わった直後から風邪をひいてしまった。風邪だけはひかない自信があったが、20年以上ぶりに風邪薬を飲んでしまったくらい弱気になってしまった。1週間以上、風邪に付き合っているうちにも季節は巡り、世の中はいつもまにか年末の総選挙に向けて慌ただしくなってきた。
 選挙がらみで最近“ヤゴー”という言葉を聞くようになった。永田町からはよく耳慣れない用語が出てくるが、たいていは知ったフリをして聞き流している。でも今回の“ヤゴー”、語感にひかれて教養のなさを恥じつつ中学生の頃から愛用している国語辞典をひいてみた。

“やごう【野合】「正式の手続きを踏まないでする結婚」の意の老人語。(新明解国語辞典 第3版 三省堂)”

 なるほど…。想像力を膨らませて字ヅラを見ると野で合体みたいでいかがわしさも感じるし、今の状況に当てはまるのかな…。しかし“老人語”って今じゃ使えないような言い回しじゃナクナクない? そこで、同じ辞書で“老人語”をひいてみると…

“老人語【ろうじんご】 「すでに青少年の常用語彙(ゴイ)の中には無いが、中年・高年の人ならば日常普通のものとして用いており、まだ死語・古語の扱いは出来ない語。例、日に増し[=日増しに]・平に・ゆきがた・よしなに・余人(ヨニン)など。」”

と、あった。さべつっぽい用語にはきびしい今の時代にあって昔の辞書ならではの表現だったのかな、とネットで調べてみたら、この「新明解国語辞典」特有の用語のカテゴリーとして“老人語”という言葉が使われていて、第1版が出版された昭和47年当初から言語学者をはじめとした知識人から批判が相次いでいたらしい。そーだったんだ、調べものにネットはやっぱり便利だな、と思いつつ参考までにと野合も調べてみたら…、

“や‐ごう 〔‐ガフ〕 【野合】[名](スル) 1 正式の手続きによらず、夫婦になること。 2 共通するものもないばらばらの集団が、まとまりなく集まること。(デジタル大辞林)”

と、最近の用法そのまんまの意味もあった(1の意味が転じて2の意味もできたんだろうけど)。まにゅふぇすとという言葉(もと自治体長が言いはじめた言葉でますこみがヤゴーして一般的になった語。≠あじぇんだ<いちセンセーが世に流行らせようと連呼するもますこみがヤゴーせず不発に終わった語>)も新明解が言うところの老人語にならないよう期待したいのだが、はたして…。


我妻淳 の紹介

栃木県那珂川町で青白磁・白磁を中心とした磁器を制作してます。
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