馬頭で馬頭琴

 那珂川町の小口(コグチ)というところで開催された馬頭琴の演奏会に行ってきた。会場は自然豊かな山の中にある棚田(タナダ)。“山の中の棚田”とだけ言ってしまうと山間の田舎に行けばよく目にする光景だが、ここはちょいとわけが違った。いまふうに言うと“ヤラレ”てしまった…。

 このコンサートの主催は木工工房『ヒロクラフト』の廣田充伸さん。廣田さんは2003年に技術職であった会社を退職され、木工の技術修練の後、2005年に馬頭町(現那珂川町)に奥様の美千香さんと3人のお子さまと都内から移住された。以来、那珂川町を拠点に活動され、春と秋には自宅とその周辺を解放したイベントを多数開かれ、今回の会場である愛してやまないご近所の“シゲルさんの棚田”をイベント来場者に紹介されてきた。

 受付ゲートを通過して300m先の棚田へとつながる作業道へ。木立の中のきれいに手入れされた作業道脇の木々には、廣田さんご夫妻が今まで撮りためてこられた小口の四季やお子さんたちを写した写真が大判の木のフレームに納められて展示されていた。写真から立ちのぼる同地やそこで成長するお子さんたちへの愛情が一枚いち枚の写真として切り取られていて、感じ入り、また見入ってしまった(同時期に移住した我が身を振り返りつつ…)。歩を進めると、突然、作業道の片側の木立が切れて眼下に…、シゲルさんの棚田が…。ム、ム、ム(サッカー大好きJ.Kの口調で<兄弟どっちでもいいです>)、でき過ぎです、演出過剰です(決して演出してませんが…)。

 『美炎・馬頭琴の調べー馬頭の棚田を吹き抜ける心地よい風にのせてー』は、馬頭琴奏者、美炎(miho)さんが昨年に続いて演奏した馬頭の“シゲルさんの棚田”での2度目のコンサート。今回はパーカッションのサイトウジュンさんとベースの斎藤隆一さんが参加されたトリオの演目も。美炎さんのソロでは馬頭琴のみのアンプラグドの演奏だったが、ステージになった棚田の石舞台(開墾の際に大きな石が出て重機もなかったのでそのまま取り残したもの?たぶん…)の背後には山が迫り、客席となった窪地にある階段状の棚田に音がうまくまわり心地よい音色に聞き入ってしまった。時おり台風17号の影響による強い風が流れて、その風に乗って山のほうから草花の種類はわからないけど綿ぼうしから離れて飛んできたであろう白いふわふわした種子がこれも演出なの?と思うくらいうまい具合に幾度となく紙吹雪のように無数、ステージに向かって飛んでいった(出来過ぎ!)。まわりではカエルや虫の音もしたが、演奏となにげに混じり合っていた。ふだん賑やかであろう小鳥やカラスの声は不思議と聞こえなかった(かれらなりの遠慮?)。ソロとトリオの演奏がいい感じにからみ合い最後までリラックスして楽しませていただいた(アリガトウゴザイマス)。
 来年の再演も期待されるところです。もしふたたび、このコンサートが開かれるなら、ふだん都会で生活されている方には特におススメです。“ヤラレ”ること間違いなし、です。

 ちなみにヒロクラフトさんとわたくし我妻淳は今週末、10月6日(土)、7日(日)に開催される『那須あーとクラフトフェア』に出店します。宣伝です(笑)、悪しからず…。


下の写真はそれぞれクリックで拡大表示されます。どうぞご覧ください!


我妻淳 の紹介

栃木県那珂川町で青白磁・白磁を中心とした磁器を制作してます。
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馬頭で馬頭琴 への4件のフィードバック

  1. 廣田充伸 のコメント:

    昨日は、ご来場ありがとうございました。
    そして、素敵なご紹介ありがとうございます。(このまま、うちのサイトに貼り付けたいくらいです・・笑)

    台風接近で、直前までどちらの会場にするか決められませんでしたので、雨風に晒されず無事、公演が終わり本当にホッとしています。
    そんな、困る面も良い面も生の自然環境に大きく左右される分、一期一会の体感や風景となって、参加された方々の心に刻まれるのかもしれませんね。
    いわば、富士山頂へご来光を拝みに行くように。

    主催者としては、野外会場、雨会場どちらもぬかりなく準備しなくてはならないので、労力はかかりますが、どちらでもお客様が満足できるよう工夫を凝らすのは楽しい事ですので止められないのかもしれません。(何よりも、地域や友人達のたくさんのサポートがありますからね。)
    ちなみに、雨会場では約120枚の写真をスライドショーにして投影をバックに美炎さんに演奏してもらう予定でした。
    これが見られなかったのは残念ですが、使わないに越したことはありません。

    次回も開催するかどうかは、参加されたお客さんの御希望やたくさんの方のご協力で決まりますので、ぜひ多くの方にご紹介いただき、実現するよう後押ししていただけたらと思います。

    だらだらと書いてしまいました。
    ありがとうございます。
    那須ではよろしくお願いします。

    • 我妻淳 のコメント:

       廣田さん、イベントの無事のご成功おめでとうございます!お疲れさまでした。
       前日から開演直前まで、さぞかし天気予報に気をもまれたことと思います。馬頭琴のミューズが降臨して上空の雨雲を一時的に吹き飛ばしてくれたのでしょうか、美炎さんの演奏中は季節が夏に逆戻りしたような陽射しの好天で雨対策で持っていった折り畳み傘が日傘として大活躍でした。
       「写真の小径」の写真、どれもすごくよかったです。雨天時のスライドショー用に用意された他の120枚の写真も気になります。機会があったら見せてください!

  2. 西郷美炎子 のコメント:

    こんにちは。
    廣田さんの紹介でこちらの記事を読まさせていただきました。
    とってもわかりやすく、うんうん。とうなずきながら読みました。
    勝手に私のホームページにて紹介させていただきました。
    ありがとうございます。
    あそこの棚田との巡り合わせは本当に奇跡みたいだと思います。
    今もここちよい余韻にひたっている所です。
    廣田さんご家族は余韻というより、疲労かもしれませんが(笑)

    でも本当に楽しみながらやって下さっているのが伝わって、感謝です。

    来年もお会いできることを楽しみに・・・

    美炎

    • 我妻淳 のコメント:

      美炎さん、コメントいただきましてありがとうございます。感激です!
      先日は久々に心の洗濯をさせていただきました。美炎さんの演奏、本当に心にしみ入りました。ありがとうございました。

      廣田さんのコメントへの返信に“馬頭琴のミューズが降臨して上空の雨雲を一時的に吹き飛ばしてくれたのでしょうか”と書きましたが、美炎さんが馬頭琴のミューズだったんですね。馬頭琴のミューズのパワーと廣田さんご夫妻や近隣の方々の日頃の良い行いのおかげであの日、台風襲来の中、奇跡的にポッカリあの時間だけ晴天に恵まれたんだろうなぁ、と思ってます。

      私も馬頭に在住しており田園風景は見慣れてるつもりでしたが、“シゲルさんの棚田”は他にはない素晴らしい場所だと思います。棚田へと続く作業道が素晴らしい舞台装置になってますね。さらには棚田にそびえ立つ“石舞台”。ホント出来すぎ、です。

      これからのご活躍、お祈りしております。
      馬頭での再演も期待しております。

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