十三夜

 ギャラリー悠日での個展も残すところあと一日。5時すぎにギャラリーの外に出てみると期間中に季節は進み日が短くなり、あたりはすっかりうす暗くなっていた。空を見上げれば十三夜のぼんやりとにじんだ月が大谷石造りの建物の上で薄赤く光っていた。

 さかのぼること10日前、搬入日の夜に「悠日カフェ」に併設された「鮨いけだ」でギャラリーオーナーにお鮨をご馳走になった。こちらのお店では、煮きり醤油を新鮮なねたに塗ってにぎられる江戸前鮨が食べられる。長く江戸に暮らしていたが本格的な江戸前鮨を食べたのはこれがはじめて。カウンター席の目の前で鮮やかな手さばきで一品ずつ握られる鮨はとても美味しかった。

 職人の無駄のない手さばきは美しい。いつかそんな無駄のない手さばきでロクロをひけたら、と思った次第。

               草々


我妻淳 の紹介

栃木県那珂川町で青白磁・白磁を中心とした磁器を制作してます。
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