朝晩の冷え込みはまだ強いが数日前には家の近くの貯水池からヤマアカガエルの初鳴きも聞こえ、陽射しもずいぶん春めいてきた。本日は二十四節気の啓蟄。例年感心してしまうがこの日に前後してムシたちが暦どおりにどこからともなく戻ってくる。田舎に住んでいながらカエルとムシは大の苦手。ヤツらと会わずにすむ季節ともそろそろお別れだ。
画像の竹編みは“輪弧編み”。輪弧はリンコまたはワコと読む。輪口(ワグチ)編みと呼ぶ地域もあるらしい。真ん中に穴が空くのが特徴で編み方のバリエーションが無数にある。磁器の花器とのコラボのために習得しようと練習をしたがなかなかうまくいかず…、本日行われた竹芸会で先生方に教わりようやく編めるようになった。しかし竹工芸の制作は時間がかかる。GWに行われる益子陶器市にコラボ作品を持って行きたいと思っているが…はたしてどうなることやら。
「竹芸会」カテゴリーアーカイブ
油抜き
メタボな私のアブラを抜きたいのもやまやまですが、今回は昨年入会した「那珂川町竹芸会」の年に一度の恒例かつ重要な行事のひとつ“竹の油抜き”のお話です。
油抜きとは青竹をより保存性の高い“白竹”に加工するための作業です。竹は昨年11月中旬に約3メートルの長さで切り出し数ヶ月間陰干ししたものを使います。当会での工程は次のとおりです。
ドラム缶4つを縦に溶接加工した長大な容器に苛性ソーダを加えた水を満たし、薪を焚いて沸騰させたところに青竹を投入。約25分間煮沸してから竹を取り出し、おがくずと籾殻を混ぜたもので汚れや水分を拭き取ります。これを乾燥置き場に並べふたたび数ヶ月間乾燥。数ヶ月後には竹全体が均一な白さになりようやく竹工芸の素材となります。
竹林から竹を切り出し素材を一から加工することも竹工芸の醍醐味なのかなぁ、とまだ六ツ目編みのカゴくらいしか制作してないのに思った次第です。
この日は1回の投入で約30本煮沸する作業を10回くらい繰り返し、約300本の青竹の油抜きを一日がかりで楽しく行いました。竹だけでなく私のアブラも多少は抜けたことも期待したいところです(笑)。