「宇都宮・栃木県とその周辺」カテゴリーアーカイブ

那須あーとクラフトフェア

 10月6日(土)、7日(日)に開催される『第4回 那須あーとクラフトフェア』に参加します。ひと月後の那須はさぞかし清々しくて気持ちよいことでしょう。初参加ということもあり今から楽しみです。

 画像をクリックしていただくとそれぞれ拡大表示で見ることができます。いろいろな素材・分野の作り手が72組集まってのイベントです。初秋の爽やかな那須にぜひお越しください!





日時:10月6日(土)10:00〜17:00
   10月7日(日)9:00〜16:00
場所:
「コミュニティガーデン那須倶楽部」
    栃木県那須町高久丙1224
    Tel 0287-76-1242

那須あーとクラフトフェア実行委員会ホームページ

ハナムグリ 想造昆虫

 栃木県真岡市の陶器・クラフトのお店『hanamuguri(ハナムグリ)』での企画展の搬入・展示をしてきました。本日7月7日(金)から7月16日(月)まで開催してます。詳細は以前の記事をご覧ください。

 お店の名前「ハナムグリ」ですが、ご存知のかたはおわかりのとおり昆虫の名前です。オーナーの森本くんは本職はアクセサリーデザイナーで、店内にも彼のつくったさまざまな素材の素敵なアクセサリーが展示・販売されてます。が、店名を昆虫の名前から命名するくらい虫がお好きのようです。レジカウンターの目立たないところに彼のつくった架空の昆虫たちが控えめに化粧箱に納められて鎮座してます。繊細な昆虫の手足(手はないのかな!?)を粘土でつくり型を起し、シリコンを流し込んで離型し微細な彩色を施した空想の中の昆虫の数々…。それぞれにこれまた架空の生息地や生態、属性などのストーリーも用意されてます。林の中の木にでもとまらせたら本物と見間違えるくらい精巧に仕上げられた一品、です。『想造昆虫』、必見です。お店に行かれたらカウンター越しにのぞいてみてください!

  

栃木市ぶらり旅

 栃木の街を流れる巴波川(うずまがわ)。はじめて竹竿一本で操船する和舟の遊覧船に乗った。いつもと違う目線で観る蔵屋敷の群れのながめも新鮮で、船頭さんのうたう舟歌もグッド。『栃木・蔵の街かど映画祭』でにぎわうメインストリートからはずれた路地裏をブラブラ。観光パンフには載らない飲食店を物色するだけでも楽しくてしょーがない。お昼は『CAFE NAZNA』で陶珈紗のKさんにランチをごちそうになり(ごちそうさまでした!)、3時のおやつには栃木名物のジャガイモ入り焼きそばを食す(味濃かったぁー)。なんど来ても栃木の街は魅力的で散策が楽しい街だ。


 陶珈紗での企画展も無事終了しました。ご来場のみなさま、どうもありがとうございました!

かいらくえん

 個展最終日のきょうは偕楽園へ。桜は一分咲きくらいでかろうじて梅と桜の競演が観られた。今朝、ジョウロの水に氷が張っていたのが信じられないほど陽射しには初夏をも感じさせる力強さがあった。園内の茶店でオッサンひとり桜のソフトクリームをパクリ。うまかったぁ。個展開催中に4、5回水戸に通ううちにすっかり水戸が好きになってしまった。




 水戸・ギャラリーしのざきでの個展はおかげさまで無事終了しました。会期中、お越しいただいたみなさま、本当にありがとうございました。

涙を読む人

 水戸芸術館に行ってきた。同館はコンサートホール、劇場、美術ギャラリーが併設された複合型芸術文化施設。水戸の周辺からも見える水戸のランドマークでもある高さ100mのART TOWER MITOが敷地にそびえ立つ。立地は水戸市街中心部。さすが徳川御三家のお膝元、芸術文化への取り組み方がひと味違う。

 現代美術ギャラリーでは「ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガー
Power Sourcesー力がうまれるところ」が開催されていた。水戸に長期間滞在して制作された様々な素材を使ったインスタレーション作品が展示されている。なかでも面白かったのが『Tear Reader(涙を読む人)』。はじめて知ったが人の涙は雪の結晶のように結晶化したものを見ることができるらしい。しかもその涙を流したシチュエーションによって結晶の形が大きく変わるという。

 拡大プリントされた涙の結晶のパネルを興味深く見ていると、そばに顕微鏡が設置され来場者などから採取された涙の結晶を見ることが出来るようになっていた。かたわらには涙を採取したプレパラートが整理されそれぞれの涙の理由が記入されていた。興味はあっても知らない人の分泌物、のぞくか否か躊躇していたらスタッフの女性に丁寧な説明をいただいた。その女性にご自身の涙はこの中にあるか尋ねたところあるとのこと。見せてくださいとお願いしたら快くご自身のプレパラートを顕微鏡にセットしてくださった。のぞいてみると、花びらが幾重にも重なってパターン化されたようなきれいな結晶が見えた。涙の理由を尋ねたら最近亡くなったご友人を思って流した涙、とのこと。涙の結晶は採取1週間後くらいが見ごろのピークで1ヶ月くらいで消え始めるらしい。悲しい時に流した涙がきれいだと思うのは不謹慎かとも思ったが、きれいな涙とともに悼まれた人のことを思うと得心できた。涙を流して結晶のようにひと月くらいできれいに忘れ去ることのできることもあるが、できないこともある。同じ理由の涙をまた流せば同じ結晶が現れるのだろう。たぶん。きっと。

十三夜

 ギャラリー悠日での個展も残すところあと一日。5時すぎにギャラリーの外に出てみると期間中に季節は進み日が短くなり、あたりはすっかりうす暗くなっていた。空を見上げれば十三夜のぼんやりとにじんだ月が大谷石造りの建物の上で薄赤く光っていた。

 さかのぼること10日前、搬入日の夜に「悠日カフェ」に併設された「鮨いけだ」でギャラリーオーナーにお鮨をご馳走になった。こちらのお店では、煮きり醤油を新鮮なねたに塗ってにぎられる江戸前鮨が食べられる。長く江戸に暮らしていたが本格的な江戸前鮨を食べたのはこれがはじめて。カウンター席の目の前で鮮やかな手さばきで一品ずつ握られる鮨はとても美味しかった。

 職人の無駄のない手さばきは美しい。いつかそんな無駄のない手さばきでロクロをひけたら、と思った次第。

               草々

初秋の日光

 開催中の個展の休廊日に日光を訪れた。いろは坂をのぼれば、はじまったばかりの紅葉に出会えると期待したのだが標高の高い戦場ヶ原まで行ってもまだ紅葉には早すぎたようだ。ただ青空は青みを増し、吹き渡る風は肌寒いくらい冷たかった。午後早い時間にもかかわらず、強い秋の陽射しの中には薄黄色のフィルターを通したような秋色が充満している。中禅寺湖の湖面も秋色の陽射しを照り返し光り輝いていた。
 小杉放菴記念日光美術館では、「一体感醸成企画 日光在住の作家たち 小坂憲正ー感じる扉/香川大介ー生の絵画展」が開催されている。絵師・香川さんの独特な世界観が表現された絵画と、扉造形作家・小坂さんの作品が美術館内でコラボ展示されている。いづれもそれぞれの作品が放つエネルギーが美術館のスペースに満ちあふれるような展示で長い時間楽しませていただいた。



 もうすぐ日光に紅葉の季節がやってくる。次回訪れるときはどんな表情を見せてくれるのだろう。栃木県に日光がいてくれてよかった、なぁ。

ミハシカフェ

 お盆で宇都宮の実家に帰省したおりに『ミハシカフェ』にお邪魔した。たまにはナイフとフォークを使った食事をしないと料理の食し方も忘れてしまう。とゆーわけで今回はウィークエンドランチメニューの「サワラのポワレ」をオーダー。まずは塩の効いたオリーブオイルがたっぷり入った器とともにフランスパンが登場。パンを指でちぎってオリーブオイルに浸して食す、という普段の暮らしではまずしない行為をするだけで指先から脳味噌にかけて快い刺激がはしる。前菜はホタテとお豆(聞いたけどお豆の種類を失念!)のマリネのサラダ。うまい。一口で食べられるホタテもナイフの使い方を忘れぬよう切り分けて食す。うまい。次に登場したのは同カフェで人気の温野菜。野菜が苦手でもさらりと食べられてしまう。ナイフを使うのも忘れ豪快にフォークでひとつずつ突き刺して食す。うまい。リム皿の底にたまった野菜の旨味が凝縮されたスープも周囲を気にせず皿に口をつけてすする。うまい。お次はメインのサワラのポワレ。素材の良さと絶妙な味付けで皮も含め美味しかったぁ。むしゃぶりつき食した後は底に残ったソースをフランスパンでからめとって食べる。うまい。食後のデザート(写真とり忘れ!)ととともに〆はいつものエスプレッソ、ストレートで。美味。



 ミハシカフェのオーナーシェフは高校の同級生。数年前の個展のおりに20数年ぶりに再会した。高校時代、学ランに足もとはローファー(私は3年間コンバースのバッシュ)、髪はアイビーカットで3年間とおした彼の愛読誌は、我々が「ホットドックプレス」だったのに対し「メンズクラブ」だった。やがてアパレル業界に進み、その後料理の世界に転身した。久しぶりに会ってはじめてそのような経緯を聞いたがまったく違和感を感じなかった。かたくなに、少し頑固に自らの美的価値観を貫き通していた彼の姿を思い出すと、アパレルから料理へとジャンルは変わってもその芯に少しものぶれも感じない。広義で同じモノづくりをする身としてもシンパシーを感じている。
 リーズナブルに質の高い食事ができるミハシカフェ。“うまい”しか表現ができないほど野暮な私だが、複数のグルメ系ブロガーが彼のお店のことを記事にしている。ご興味をお持ちになった方はぜひ検索を! 


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山あげ祭

 週末、となりの那須烏山市の『山あげ祭』に行ってきた。那須烏山市在住の知人に誘われ馬頭の知人ご夫妻のクルマに同乗して、である。ということはお酒が飲めるということだ。田舎暮らしでは移動手段がクルマのため出先でお酒が飲める機会がほとんどない。
 烏山の知人のご案内でまずは「東力士」で有名な酒蔵、島崎酒造へ。店内の奥へ進むと同酒蔵のおもなお酒が居並ぶ特設試飲コーナーが設けられていた。はやる気持ちを抑えつつ足を踏み入れると試飲用のグラスが差し出される。え、いいのっ、って感じで片っ端から一杯ずつお店の人に杯に注いでいただき試飲する。大吟醸まで惜しげもなく試飲させてくれるとは島崎酒造さんは太っ腹だ。何杯もお酒を試飲させていただいて手ぶらでお店を出るのはしのびなかったが、ほろ酔い加減で『戻橋』が演じられる場所へとそぞろ歩く。



 いつもはクルマで通り過ぎるだけだった街も歩いてみると新鮮な発見がいっぱいだ。まず街の中心部一帯が昭和の匂いが濃厚な町並みが今でも残っていることに驚いてしまう。スタジオジブリのアニメのひとコマに出てきそうな雰囲気のあるレトロな建物がそこかしこに存在する。映画のロケ地としても良さそうだ、と思ったら実際映画が何本か撮影されてるらしい。

 少し広い通りに出たら、はっぴを着た大勢のヒトが「大山」を組み立てていた。『山あげ祭』は約450年前に源を発した国の重要無形民俗文化財にも指定されているお祭りだ。市内6町がそれぞれ毎年輪番で当番町になり、「戻橋」「梅川」「将門」など常磐津所作の野外歌舞伎を祭りの3日間、街の随所で繰り広げる。道路上に設置された演台から見て、その奥100メートルにわたり、大山・中山・前山などの舞台装置が組み上げられ奥行観のある舞台が堪能できる。一番のメインイベントは舞台で演じられる歌舞伎だが、知人によれば背景の舞台装置である「山」を組み上げる時と、他の演舞会場に移動する際の撤収・移動作業にこそこの祭りの神髄が見られるとのこと。演目がはじまる前に「大山」の組み立てから立ち上げにかけてじっくり見物することができた。竹で組んだ梁に木組みの枠に張り込んだ烏山特産の和紙に描かれた「山」のパーツを張り付け、何十人もの男衆が掛け声とともにそれを押し立てる。圧倒的な重量感を持った「山」が電柱などの高さを超えて立ち上がる様は圧巻だ。祭りの名前の由来はここにあると思い知った。

 

 開演とともに正面にまわり舞台「戻橋」を観覧。演目の進行にあわせ拍子木の音とともに可動式の装置で「山」の表情が変わっていく。限られた道幅と奥行きの長さとで、いかに「山」を配置するかが当番町の腕の見せ所らしい。微妙な「山」の配置角度など随所にこだわりがあるようだ。

 

 演目が終わった後は宴会タイム。お店に向かう途中に激しい調子のお囃子が聞こえてきた。広場で神輿を舞台に、叩き付けるようなビートのお囃子とそれにあわせ声をあげる男衆がいた。マツリだ祭りだ。祭りとともに成長してきた地元を持つヒトがうらやましい。久々に美味しい食事とお酒が堪能できた。Oさんありがとう。夜もかなり更けた帰り道、さきの島崎酒造のお店がまだ開いていた。土産に『東力士』を買って帰ったことは言うまでもない。